尿路結石とは
尿路結石は、尿の通り道である尿路にできた結石のことです。
その石が詰まって尿路をふさいでしまうと、尿が通過しにくくなるため激しい痛みが起きたり血尿が出たりします。30代から60代の男性がかかりやすい病気です。
尿路結石は増加の傾向が見られ、日本人の10人に1人が、一生に一度はかかるといわれています。5㎜以下の結石は自然に排出される可能性が高く、全体として尿路結石の約60%は自然排出が期待できますが、それ以外の場合は激痛をともなうことが多いため、早急に適切な治療をすることが必要です。
尿路結石の症状
自覚症状があるケースでは、激しい痛みをともなうことが多いです。腰や背中、脇腹や下腹部が突然痛み、激痛のあまり失神することもあります。また、血尿も尿路結石の症状のひとつです。
各臓器の神経は密接につながっているため、吐き気を覚えたり嘔吐する場合もあります。しかし、結石ができた場所によっては、軽い鈍痛を感じる程度です。
一方、できた結石のサイズが小さければ、尿と一緒にいつのまにか排出されてしまうため、自覚症状もなく、痛みも発生しません。
尿路結石の検査・診断
尿路結石が疑われる症状がある場合は、泌尿器科へ行きます。
急性虫垂炎や急性腹膜炎、子宮外妊娠など、突然激しい腹痛が起きる病気と区別する必要があり、これらの病気は外見からだけでは識別しにくく、緊急手術をしなければ生命に関わるケースもあるため、症状が出たら早急に受診すべきです。
妊娠やアレルギーなどの有無を確認後、血液検査や尿検査、結石分析が行なわれます。さらに、単純X線写真(腎尿管膀胱撮影)や超音波検査、排泄性腎盂尿管撮影などの画像検査の結果をもとに、診断が下されます。
尿路結石の治療
サイズの小さい尿路結石は、水分を十分にとって自然に排出されるまで経過を観察することがあります。
結石が5mm以下の場合には鎮痛剤や排石剤を併用しますが、それ以上大きい場合、排石剤は効き目がありません。その際に用いられる治療法が体外衝撃波結石破砕術です。体外の装置から音波の一種である衝撃波を体内の結石に向けてあてることで、結石を砕いて小さくし、尿と一緒に排出させます。この方法は、体にメスを入れずに済むことが特徴です。
体外衝撃波結石破砕術では治療できないサイズの結石は、経尿道的尿管砕石術で取り除きます。これは、全身麻酔か脊椎麻酔をした上で、尿道口から結石のあいだまで尿管鏡を挿入し、結石をレーザーなどで破砕する方法です。